全般性不安障害
全般性不安障害
全般性不安障害は、毎日の生活の中で漠然とした不安や心配を慢性的に持ち続ける病気です。
ただ心配しているだけなら良いのですが、尽きることない不安と心配のために徐々に身体症状や精神症状が現れるようになり、不安が悪循環していきます。全般性不安障害の患者さんが抱える不安は、持続的で程度も過剰であり、本人が思うようにコントロールできません。自分や家族に何か恐ろしいことが起きるのではないかと絶えず心配し、そわそわと落ち着かず、些細なことにも常に過敏に反応してしまうため、物事に集中することができません。そして、症状が進むと、睡眠や毎日の生活にも障害をきたし、日常生活をこなすことが困難になってしまいます。
原因はまだはっきりとは分かっていませんが、神経質の性格や遺伝的要因、今直面しているストレス状態や自律神経の障害などが発症の原因のひとつだと言われています。
パニック障害や社交不安障害は、苦手な状況がはっきりとしています。しかし全般性不安障害では不安を感じる範囲は非常に広く、日常に起きる生活のすべてになります。
全くあり得ないようなことを心配しているのならば周りも病気と思うでしょうが、不安が日常生活に散らばっていることから、「他のひとよりも心配性」や「ちょっと神経質」と思い込んでしまい、病的な不安とは受け取られないのです。患者さん自身も、「自分は心配性な性格」と思っていることも少なくありません。
全般性不安障害の症状が現れている場合は、早めに受診することをお勧めします。
強すぎる不安や心配がコントロールできず、心と体が悪循環してしまって心身の症状にあらわれてしまいます。
心配が心配を呼んでいくような状態では、お薬を使って気持ちを落ちつけていくことが必要になります。お薬によって、心身の症状をやわらげていくことができます。お薬によって症状が楽になってくると、不安を受け止めやすくなります。お薬によって症状が緩和してきたら、精神療法を行うと、より有効な場合もあります。
症状の中でも、身体的な緊張や不眠は抗不安薬のベンゾジアゼピンによって速やかな改善が期待できます。
連鎖的に現れる不安・心配に対しては、効果が現れるまでに多少時間がかかりますが、SSRIの有効性が期待されています。